10月9日〜11日の3日間、せんだいメディアテークにて「AES ジャパンコンファレンス・仙台2012」が開催されました。我々学生支部は「学生による研究室紹介」及び「サウンドアウォード最終審査会」の2つのイベントを行いました。以下、コンファレンスのレポートを、非常に簡単にではありますが副支部長今村がお送りします!
(「サウンドアウォード最終審査会」のレポートは、こちらをご覧下さい。)
今回のコンファレンスのテーマは「多チャンネルオーディオの可能性」。テーマに基づいたワークショプ、イベントが3日間に渡って開催されました。
10月9日
初日には、東北大学電気通信研究所、先端音情報システム研究室のテクニカルツアーが行われました。我々学生支部員は事前準備で参加できなかったのですが、限定20名、先端音情報システム研究室の誇るVR(Virtual Reality)スタジオで実際に音を聞かせてもらえたりと、非常に充実したツアーだったとのことでした。
2日目に行われたワークショプ「超多チャネル音響がもたらすもの」でも本研究室の紹介があったりと、是非機会があれば研究室をお尋ねしたいです。
10月10日
2日目朝一のイベントは、我々学生支部の「学生による研究室紹介」です。音について学ぶ学生がお互いの普段の活動を知ることを目的とし、研究室ごとの研究テーマや施設概要等について、以下の4つの大学を代表する学生によるプレゼンテーションが行われました。
座長:AES日本学生支部 黒岩若菜
・鈴木輝彦(会津大学大学院ヒューマンインターフェース学講座)
・佐藤祥来(東北大学電気通信研究所 先端音情報システム研究分野 鈴木•坂本研究室)
・小林洋介(山形大学 理工学研究科 電気電子工学分野 近藤研究室)
・鈴木勝貴(東京芸術大学 音楽環境創造科 亀川•丸井研究室 )
また「卒業論文または自分の研究テーマ」、「学内研究発表会」、「今後の目標」、「多チャンネルオーディオ」等について、パネリストの皆様によるディスカッションも行われました。
立地等の理由からもなかなかお互いの事を知る機会がありませんでしたが、今回詳しく説明を聞くことができて非常に有意義でした。研究室の共通の点や異なる点、多くの事を知ることができました。パネリストの皆様、本当にありがとうございました。
個人的にはそれぞれの詳しい研究内容はもちろんのこと、会津大学の研究発表は全て英語、という事を初めて知り驚きました。我々も本部のConvention等で負けじとどんどん英語で発表していきたいですね!
「学生による研究室紹介」が終わり、コンファレンス実行委員長によるオープニングセッションの後は、勝本総合研究所、勝本道哲氏による基調講演「多チャンネルオーディオによる放射指向性音響の実現にむけて」です。
勝本氏ご自身が元々ITの分野で研究されていたこともあり、多チャンネルオーディオの未来について様々な広い視点からのお話を聞くことができました。最近の多チャンネルオーディオの動向から、それらに足りないポイント、また最後はご自身の球型スピーカーの紹介と、鋭い意見も多く、会場で聞いていた学生の皆さんも非常に刺激になったことと思います。
お昼には、ポスター発表者による2分間のショートプレゼンテーション、また会場1階オープンスクエアにてポスター発表が行われました。
ポスター発表のタイトル等詳しい情報は、こちらからお願いします。
午後最初のワークショップは、「Train Your ear ! イヤートレーニングのトレンドと将来」です。私の所属する東京藝術大学の研究室でもイヤートレーニングが行われておりますが、東京情報大学、ロチェスター工科大学、また一般企業でのイヤートレーニングについて、それぞれパネリストの方から紹介がありました。
ロチェスター工科大学のキムソンヨン氏は現地からスカイプで参加され、まさにイヤートレーニングのトレンドと将来について、幅広く知ることのできるワークショップでした。
2日目最後のワークショップは「超多チャネル音響がもたらすもの」です。5名のパネリストによる、それぞれ全く違ったアプローチでの多チャンネル音響の研究について、紹介、ディスカッションが行われました。「音源の再現」というアプローチ、「音場の再現」というアプローチ、「視聴印象の再現」というアプローチ、様々な考え方からの「多チャンネル音響」を目の当たりにし、非常に刺激的で勉強になりました。是非また聞きたいワークショップのうちの一つです。
10月11日
3日目まず最初のワークショップは「ラウドネス運用は放送を変えるのか?他のメディアへ波及するのか?」です。今年10月についに民法のラウドネス運用がスタートし、番組やCMの音量の不揃いが解消されたことを実感された方も多いかと思います。このワークショプでは、テレビだけではなくインターネットやケーブルテレビ等、ラウドネスのほかのメディアへの波及効果等について、またラウドネスの運用そのものについて、8名のパネリストによる議論が行われました。
現在激アツのこの話題、様々なラウドネスにまつわる話がたくさん聞けて非常に勉強になりました。
午後は我々学生支部による「サウンドアウォード最終審査会」が行われました。こちらは別にレポートを作成しましたので、是非こちらから御覧ください。
3日目最後のワークショップは、「アウトドア サラウンド制作 基礎と応用」。フィールドにおけるサラウンド収音技法や制作について、5名のパネリストによる紹介が行われました。学生支部にはフィールドレコーディング、5.1chサラウンドの音響制作を行う学生が多いので、こちらもまた特に勉強になった学生が多いのではないでしょうか。実際録音された5.1chの音源を再生しながらの紹介で、貴重な音源を多く聞くことができました。
3日間に渡るAESジャパンコンファレンス・仙台2012。我々学生にとっても得るものが非常に多いイベントでした。
私も来年は是非、ポスター発表に挑戦したいと思います!