2015年9月12日(土)~13日(日)名古屋芸術大学にて、学生レコーディング/サウンドデザインコンペティション「サウンドアウォード2015」が開催されました。(掲載が大変遅れてしまって申し訳ありません…)
12日のAESジャパンコンファレンス・名古屋2015当日にレコーディング部門・サウンドデザイン部門のファイナリストがそれぞれ3名ずつ発表され、翌13日にはファイナリストによる10分間のプレゼンテーションが行われました。
今年の「サウンドアウォード2015」には関西地方の学生だけでなく、九州から東京までの全国の学生にご参加頂きました。また会場には多くの方が集まり、各ファイナリストへの審査員の皆様から時間内では収まらない、多くのご講評を頂きました。
ステレオ音源再生から5.1chの映像作品まで、クラシックからジャズ、アニメーション作品など、幅広いジャンルの作品の発表が行われました。
ファイナリスト及び審査結果はこちらからご覧頂けます。
各部門の審査員の方々は次の通りです。(敬称略:名前順)
<レコーディング部門>
高田英男(たかだひでお)
1951年 福島県生まれ
1969年 日本ビクター入社(現JVCケンウッド)
ビクタースタジオ配属、録音エンジニア業務に従事
2001年 ビクタースタジオ長
2012年 ビクターエンタテインメントとサウンドプロデューサー契約 ~ 現在に至る。
アイドルポップス、ジャズ、アコーステック録音を中心にエンジニア業務に従事。
日本プロ音楽録音賞、各オーディオ誌録音賞など多数受賞
(株)JVCケンウッドとの連携によりデジタル高音質技術・K2技術&ウッドコーン・スピーカー音質創りをサポート。
現在、ハイレゾフォーマットによる録音制作を進め、各オーディオイベントなどでプレゼンを推進。
主なハイレゾ担当作
・VICTOR STUDIO HD-Soundシリーズ ・芸能山城組 ハイパーハイレゾシリーズ、
・苫米地 義久/TOMA Ballads3・4
・Light of the Ancients / Ailing Sai Christopher Hardy
日本音楽スタジオ協会専務理事&技術委員長
中村 寛(なかむら ひろし)
株式会社WOWOW 技術局
東京理科大学工学部電気工学科卒業。
WOWOWにて、音声制作技術、スタジオ・中継設備を担当。
主に音楽ライブレコーディングの他、舞台、スポーツ中継を手掛ける。
2003年、2006年日本映画テレビ技術協会映像技術賞(録音部門)受賞。
主な音楽ライブ番組:BEGIN、森山良子、谷村新司、槇原敬之、一青窈、渡辺貞夫、Na Leo、Wei Wei Wuu、Roberta Flack、blastⅡ:MIXなど
深田 晃(ふかだ あきら)
株式会社dream window 代表取締役
CBS/SONY(現Sony Music Entertainment)録音部チーフエンジニア、NHK放送技術局・番組制作技術部チーフエンジニアを歴任。
数々のCD制作及びTV番組制作、音響空間デザインを行う。
2011年 dream window inc. を設立し、アーティストのCD、映画のスコアリング録音、クラシック録音のエンジニア・ディレクターとして音楽制作を行っている。また、1ch~22.2ch、3D audioまでにいたるマルチチャンネル音響作品制作や音響空間デザインを行うとともに、レーベル「Tree」にてハイレゾルーション作品のリリースも行っている。
AES(Audio Engineering Society) Fellow
IPS 英国放送音響家協会会員
JAPRS 日本音楽スタジオ協会個人正会員
洗足学園音楽大学 音楽・音響デザイン 客員教授
吉田 保(よしだ たもつ)
1946年11月6日、埼玉県大宮 市生まれ。(現、さいたま市)1968年、東芝EMI録音部入社。 1976年、RVC(現在BMGビクター)録音部入社。 1979年、CBS/SONY六本木スタジオ、CHIEF ENGINEER。 1989年、(株)サウンド・マジック・コーポレーション設立。 2007年、(株)ミキサーズラボへマネージメント業務を委託。2014年、かつて手掛けたアーティストを中心に、自らリマスタリングを手掛けた「吉田保リマスタリング・シリーズ」をソ ニー・ミュージックダイレクトよりリリース。日本ミキサー協会理事長 日本音楽スタジオ協会 理事。
山下達郎、竹内まりや、稲垣潤一、大滝詠一、吉田美奈子、浜田省吾、スクエアー、松田聖子、ティナ、Kinki Kids、アトランティックスター、ラグフェアー ゴスペラーズ等多数。For You、On The Street Corner1,2,3 メロディーズ、ア・ロングバケーション 等多数。
<サウンドデザイン部門>
内村和嗣(うちむら かずつぐ)
日本放送協会 サウンドデザイナー/リ・レコーディングミキサー。
AES日本支部役員。
1982年(株)札幌映像プロダクションに入社、1995年(株)デジタルエッグに移籍、国内初の1 サラウンド・オーディオ・ポスプロ・スタジオを構築させる。
その後、1998年NHK入局。
これまでアニメーション、サウンドロゴから2chに至まで多種多様な作品、特に国際共同制作に多く携わり、様々なフォーマットに対応した国際的なコラボレーション制作のサウンド・スーパーバイザー、リ・レコーディングミキサー、サウンドデザイナーとして番組制作を行ってきた傍ら、放送センター内のマルチチャンネル・スタジオ更新に多く関わる。また、次世代の人材育成カリキュラムとして、作品への想像力を養うためのサウンドデザイン・セミナーを実施している。
沢口真生(さわぐち まさき)
1971年千葉工業大学 電子工学科卒 同年 NHK入局。ドラマミキサーとして芸術祭大賞・放送文化基金賞・IBC ノンブルドール賞・バチカン希望賞など 受賞作を担当。 1985年以降は、サラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2001年よりAES や東南アジアを中心にサラウンドワークショップ・セミナー・技術発表をおこないアジアでのサラウンド制作を推進。2002年よりサラウンド普及のためのサラウンド寺子屋塾を開設、2007より高品質音楽制作のためのレーベルUNAMASレーベルを立ち上げさらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく高品質音楽配信を行っている。(hqm-store.com/http://music.e-onkyo.com//)
現職は、(有)沢口音楽工房 代表。http://unamas-lable-jp.net
音響関連の執筆、翻訳書も多く、近著は、芸大出版「サラウンド入門」
兼六館出版「サウンドデザイン.バイブル」
染谷和孝(そめや かずたか)
1963年東京生まれ。東京工学院専門学校卒業後、(株)ビクター青山スタジオ、(株)IMAGICA、(株)イメージスタジオ109、ソニーPCL株式会社を経て、2007年(株)ダイマジックのスタジオ設立に参加。2014年より有限会社 ビー・ブルーに所属を移し、サウンドデザイナー/リレコーディングミキサーとして活動中。
2006年よりAES(オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー)「Audio for Games部門」のバイスチェアーを務める。また、2014年9月よりAES日本支部 監事を担当。
また、今回サウンドアウォード2015を開催するにあたり、数多くの企業様より御協賛頂きました!心より御礼申し上げます。この場を借りて掲載させていただきます。(名前順)
アビッド テクノロジー株式会社 様
オタリテック株式会社 様
株式会社オーディオテクニカ 様
タックシステム株式会社 様
ティアック株式会社 様
TCグループ・ジャパン株式会社 様
富士通テン株式会社 様
宮地楽器 輸入事業部I.D. 様
審査員のみなさまによる各作品への講評の中では、ファイナリストへの激励のお言葉の他、フィールド・レコーディングにおける心構え、作品を作っていく上での工夫、それも、場面場面に対する詳細なアドバイスや、1chサラウンドにおけるマイクロフォン位置の考え方、各チャンネルの役割、また空間や音楽を吟味した録音・ミキシングがされているか、基本の重要性などのお話をお伺いすることができました。今回、審査員のみなさまからのご意見を頂くのに、十分な時間を得ることができなかったのが、本当に、本当に悔やまれます。ですが、審査員のみなさまからの頂いたコメント用紙(事前審査で使用された評価用紙)を読返して頂き、是非次の作品につなげていって頂ければ、と思います!!
今回応募に間に合わなかった学生の皆様も、是非、次回に挑戦下さい!
みなさま、本当にありがとうございました!
AES日本学生支部・サウンドアウォード2015 実行委員長
齋藤 峻