AES 146th Convention in Dublin 参加レポート

こんにちは。大変遅ればせながら、今年3月にアイルランド・ダブリンで開催されたAES 146th Convention in Dublinについてレポートします。
筆者は今回のConventionを機にAESに入会しました。新参者の視点でレポートしますのでどうか温かく見守ってください…!

Conventionは2019年3月20日から3月23日の4日間、アイルランド・ダブリンのThe Convention Centre Dublinで開催されました。

image-10

開催中は、朝9時から夜18時ごろまで、様々なセッションが行われます。

Special Events : オープニングセレモニーやコンサートが行われる。3日目の夜には会場内のホールで、Spatial Electroacoustic Music Concertというマルチチャンネルスピーカー再生による電子音響音楽作品の発表が行われた。
Product Showcase : 音響に関する様々な企業による製品展示。
Paper Session : プレゼン形式の研究発表。大学や研究機関で行われた最新の研究成果を知ることができる。
Poster : ポスター展示。日本からの学生も多く参加していた。
Tutorial : 様々なトピックのプレゼン形式の発表。その分野の基本的な事項について勉強ができる。スピーカーから音を聞けるTutorialもあり、音を実際に体感できる。
Workshop : エンジニアや研究者たちによるレクチャーや、シンポジウム形式の発表。
Student/Career Event : 教育関係や学生向けのイベント。Student Recording Competitionや大学紹介フェアなどが行われる。
Technical Tour : 事前申し込み制の見学ツアー。今回は、アイルランド国立劇場のアベイ座や、Windmill Lane Recording Studiosの見学が企画された。

このようにいろんな場所でたくさんのセッションが並行して行われています。盛りだくさんでとっても充実した毎日を過ごせました。

ここからは、筆者が印象に残ったイベントについてお話しします!

特に筆者の印象に残っているのは1日目に行われたMicrophones-Can you hear the Specs? というチュートリアルです。DPAという有名なマイクロホンメーカーの開発者の方がされた講演で、自社のマイクを用いて各マイクロホンがどのような性質を持っているか、どのような場面で使用されるのが適切か、各マイクの音響特性の数値が実際の視聴にどの程度影響するかなど、マイクロホンに関する様々な講釈をされていました。録音に際してのマイク選びは直感と浅すぎる経験則だった筆者にとっては目から鱗のお話ばかりで、とても大きな知見を得ることができました。

次に、3日目の最後のプログラムとして行われたSpecial Electroacoustic Music Concert は著名な作曲家である4名が各自の作品を紹介し、一同で聞き合うというものでした。アイルランドの伝統的な楽器を用いたものから人間の息を利用した抽象音楽まで楽曲の幅が広く、大変聞き応えのあるコンサートでした。

ホールBという場所では各企業のブースがところせましと並び、各々自社の商品の紹介などをしています。また、研究発表のパネルも展示してあり、日本学生支部のメンバーのうち何名かはこのブースで発表を行いました。

image-11
image-12

ここでは他にも、AESに参加していた世界各校がそれぞれの学校紹介のブースをたて、交流し合いました。いろんな国の音響を学ぶ学生たちと触れ合えるとても良い機会となりました。

image-13

受付ロビーでは日本ではなかなか手に入らないような音響に関するコアな本がたくさん売られています。また、AESのグッズも売っており日本学生支部のメンバーもAESのロゴが書かれたマグカップを購入していました!

他にも、Student Recording CompetitionStudent Recording Critiquesなど、学生が録音・ミキシングした作品を評価してもらえる機会があります。
筆者はStudent Recording Critiquesに応募して、プロのエンジニアの方たちに自分の作品をきいてもらい、多くの有意義なアドバイスをもらうことができました。

このように、世界各国の学生たちが参加する企画が豊富です。
世界には、自分たちと同じように音響を学んでいる同士がこんなにいるのか〜!とはじめて実感し、筆者はなんだか嬉しい気持ちになりました…。

レポートはそろそろ終わりです。

最後に…

ひたすら広大な土地の広がる異国の地にタクシーから降ろされた時、筆者は途方に暮れて泣きそうな気持ちになりましたが、それも吹き飛ぶくらい充実したAES Conventionでした。何よりも日本だけではなく、世界で音に関わる人たちがどんなことを考えて、どんなものを作っているのかを知ることができるというのがAES Conventionならではで、アイルランドという遠い土地に足を運んだ甲斐がありました!(ダブリンはご飯もビールも美味しかったです!!)

AES日本学生支部 森永・鶴岡

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です